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Camel キャメル

キャメルはラクダ科の動物で、背中にこぶが 2 つある双峰種と、1 つだけの単峰種がある。短く太い単峰種の毛は扱いづらいため、衣料用のキャメルの糸には双峰種の毛のみを使用している。 基本的には家畜として、中国やモンゴルを含む中央アジア砂漠地帯で飼育されているキャメル。砂漠地帯は昼夜の寒暖差が激しく厳しい環境で、身を守るために外側は硬い毛で覆われているが、実はその内側には繊細で柔らかな産毛が生えており、その部分のみが採取されて糸となる。毛質は、軽いのに強靭で保湿性があり、その機能で湿度をうまく調整しながら過酷な環境を生き抜く。採毛は 1 年にたった 1 度、晩春の頃だけに行われる。抜け代わりの際に落ちた毛を拾い集めたものが原毛となる。 キャメルは、エレガントなミドルゲージニットを製作するための最適な素材。ミドルゲージのニットアイテムは、作り手にとって最も面白みのあるゲージで、ニットらしいぬくもりや素朴さがそのまま感じられ、世の中に存在するさまざまな糸を自由に掛け合わせて編み上げられる魅力がある。 ミドルゲージの場合、獣毛のモヘアやアルパカを使うのが一般的だが、獣毛はその毛質から編み目がぶれがちで、エレガントな仕上がりになりにくい。加えてウールには、柔らかい毛は重くなりやすく、軽い毛は肌触りがいまひとつという性質がある。 それらのマイナス要因をクリアするのがキャメル素材だ。ミドルゲージにしても、柔らかくバルキー性があり、軽くて肌触りがいい。ドレッシーなジャケットやコートに合わせても違和感が出ない。エレガントなニットアイテムを目指す 991 にとって、キャメルはベストチョイスの素材だ。